- 【2025年調査】美容・スキンケアの口コミが消費行動に与える影響に関する消費者動向調査
株式会社Creative Groupによる2025年6月実施の消費者動向調査「美容・スキンケアの口コミが消費行動に与える影響に関する意識調査(2025年版)」の結果を報告します。本調査は、インターネットリサーチで全国の16~59歳女性800名を対象に2025年2月~6月にかけて実施されました。
- 口コミは購買行動の大前提に:2025年の美容・スキンケア消費者の実態
- 情報源は「一般人の投稿」と「インフルエンサーの投稿」がほぼ同率トップ
- 口コミは購買判断の前提として定着
- 複数のSNS・レビューサイトを比較検討する消費者が増加
- 4件以上の口コミを確認するのが一般的
- 口コミの総数も購入への影響力を持つ
- インフルエンサーと一般人の口コミを両方参照する人が増加
- PR投稿への信頼度は「内容次第」
- 信頼されるPR投稿の条件
- レビューがないと購入をためらう人が増加
- ECサイトでの商品レビュー確認はほぼ必須
- 商品レビューは「あった方がよい」から「ないと困る」存在へ
- レビューを見て商品を購入した経験はほぼ全員にある
- 口コミの信頼性を判断するポイント
- SNSで話題の商品を購入した経験はほとんどの女性にある
- 購入の決め手は「使用感の詳細な説明」
- まとめ:口コミは購買行動のインフラへ
- 株式会社Creative Groupについて
口コミは購買行動の大前提に:2025年の美容・スキンケア消費者の実態
本調査は、2022年の同内容調査と比較することで、口コミに対する消費者の信頼度や購買行動の変化を分析し、2025年現在の消費者の意思決定のあり方を明らかにすることを目的としています。
情報源は「一般人の投稿」と「インフルエンサーの投稿」がほぼ同率トップ
コスメ・スキンケア購入のきっかけとなる情報源を尋ねた質問(Q1)では、「一般人の投稿」が40.7%、「インフルエンサーの投稿」が39.2%と、ほぼ同率でトップとなりました。「企業や店舗の投稿」は16.8%、「SNS上の広告」はわずか0.7%でした。
2022年調査と比較すると、「一般人の投稿」は3.6ポイント減少し、「インフルエンサーの投稿」は6.4ポイント増加しており、両者の差は縮小しています。この結果から、生活者と距離の近いインフルエンサーの発信が信頼を得ていること、また広告っぽさを感じさせない発信スタイルの浸透が影響していると考えられます。一方、「SNS上の広告」は2ポイント減少しており、企業色の強い情報に対する関心の低下が示唆されます。
口コミは購買判断の前提として定着
SNSやレビューサイトの口コミの参照度合い(Q2)では、「かなり参考にする」が49.3%、「参考にする」が45.5%、「どちらともいえない」が4.1%という結果でした。口コミを参考にする人の割合は、2022年の94.5%からわずかに上昇し、94.8%となりました。 「かなり参考にする」と回答した人が約半数に達しており、口コミの重要性が一層高まっていることが分かります。
複数のSNS・レビューサイトを比較検討する消費者が増加
購入を決定するまでに参照するSNSやレビューサイトの数(Q3)では、「5つ以上」が19.9%、「3~4つ程度」が49.7%、「1~2つ程度」が29.1%、「参考にしない」が1.3%という結果でした。「3~4つ程度」と回答した人が約半数に増加し、複数のメディアで比較検討する姿勢が強まっていることが示されました。
4件以上の口コミを確認するのが一般的
購入前に確認する口コミ件数(Q4)では、「4~6件」が40.2%と最も多く、「7~10件」が30.8%、「11件以上」が16.5%と続きました。87.5%の回答者が4件以上の口コミをチェックしており、少数のレビューでは判断しない慎重な姿勢が明らかになりました。
口コミの総数も購入への影響力を持つ
購入検討商品の口コミの数が購入に影響するか(Q5)という質問では、「影響を与えている」が77.2%、「影響を与えていない」が9%、「どちらともいえない」が13.8%でした。2022年調査と比較して5ポイント上昇しており、口コミの「数」も意思決定に大きく関わる傾向が強まっていることがわかります。
インフルエンサーと一般人の口コミを両方参照する人が増加
インフルエンサーの口コミと一般の口コミのどちらを参考にするか(Q6)という質問では、「両方参考にする」が61.9%、「一般人の口コミ」が31%、「インフルエンサーの口コミ」が5.2%という結果でした。「両方参考にする」と回答した人が増加しており、消費者はリアルな感想と発信力のある情報の双方に価値を見出し、使い分けていることが示唆されます。
PR投稿への信頼度は「内容次第」
口コミ投稿者が企業案件(PR)として投稿している場合の信頼度(Q7)については、「変わらない」が48.1%、「少し下がる」が41.4%、「大幅に下がる」が5.2%という結果でした。「変わらない」と回答した人が約半数を占め、企業案件=不信という固定観念は薄れてきていますが、発信内容の誠実さや見せ方が信頼を左右することが示唆されました。
信頼されるPR投稿の条件
信頼できるPR投稿の条件(Q8)としては、「使用感やデメリットも記載されている」が48.1%、「本音レビューとPRの違いが明記されている」が41.4%と、PRであることを隠さずに伝える姿勢が信頼を得ていることが分かりました。
レビューがないと購入をためらう人が増加
商品レビューが1つもない商品は買うのをためらうか(Q9)という質問では、「当てはまる」が75%と、2022年調査から7ポイント増加しました。「レビューゼロ=信頼ゼロ」と捉える消費者心理が強まっていることを示しています。
ECサイトでの商品レビュー確認はほぼ必須
ECサイトで商品を購入する際、商品レビューを見るか(Q10)という質問では、「必ず見る」が61.9%、「よく見る」が26.9%でした。レビューは最終確認としての役割を強く担っていることが明らかになりました。
商品レビューは「あった方がよい」から「ないと困る」存在へ
商品レビューの必要性(Q11)については、「ないと困るもの」が60.8%、「ないよりはあった方が良い」が37.7%、「別になくても良い」が1.5%という結果でした。「ないと困る」と回答した人が増加し、レビューは情報ではなくインフラへと変化していることが分かります。
レビューを見て商品を購入した経験はほぼ全員にある
レビューを見て商品を購入した経験(Q12)については、「何度もある」が75.4%、「何回かある」が23.1%、「1度もない」が1.5%でした。レビューが購買のきっかけではなく、購買プロセスの一部へと進化していることを意味します。
口コミの信頼性を判断するポイント
口コミの信頼性を判断する際の最も重視するポイント(Q13)では、「実際の写真・動画の有無」が51%、「口コミの文章の具体性」が37.3%と、視覚的な証拠や具体的な説明が重視されていることが分かりました。
SNSで話題の商品を購入した経験はほとんどの女性にある
SNSで話題になっている商品を購入した経験(Q14)については、「何度もある」が61.9%、「たまにある」が35.4%、「ほとんどない」が1.9%でした。合計97.3%にのぼり、SNSが購買の直接的な導線として定着していることが明らかになりました。
購入の決め手は「使用感の詳細な説明」
SNSやレビューサイトでの商品紹介投稿を見て購入の決め手となるもの(Q15)では、「詳細な商品の使用感の説明」が65.5%と最も多く、見た目や素材ではなく、体験ベースの情報が意思決定を大きく左右していることが分かりました。
まとめ:口コミは購買行動のインフラへ
本調査の結果から、口コミは参考情報ではなく、購買行動の大前提になっていることが明らかになりました。消費者の情報リテラシーは進化し、口コミ総数、複数メディアの比較、PRの明記などを重視する傾向が強まっています。レビューがないと購入をためらう人が増加しており、「レビューゼロ=選択肢に入らない」という現象が顕在化しています。企業は、信頼される語り手に自社商品を正直に伝えてもらうことを重視する必要があります。
株式会社Creative Groupについて
株式会社Creative Groupは、PR、広告、マーケティング、キャスティング、メディアの5領域を内製し、400社以上の企業と協働しています。



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