- 京都・祇園「西来院」初の夏季特別公開と期間限定茶寮「手紙茶寮 「のこす。」」
2025年8月1日（金）から17日（日）まで、京都・祇園の西来院にて、初の夏季特別公開と期間限定の『手紙茶寮 「のこす。」』が開催されました。このイベントでは、創業1803年の京菓子「鶴屋吉信」が、和菓子「本蕨 抹茶」を提供しました。
心に寄り添う17日間：手紙茶寮「のこす。」
『手紙茶寮 「のこす。」』は、株式会社ONEFILMが主催するイベントです。お盆の時期に合わせ、来場者が日々の喧騒から離れ、静かな空間で手紙を書く時間を提供することを目的としています。 届かなかった想いや、今は会えない人への言葉を綴ることで、心に安らぎと静けさをもたらす場となっています。
このイベントは、新しい「手紙行（てがみぎょう）」という概念に基づいています。「手紙行」とは、仏教における「写経」や「念仏行」のように、書く行為自体を一種の修行と捉えるものです。自分の想いを言葉にすることで、自分自身と向き合い、心を整える機会を提供します。
西来院と「のこす。」に込められた想い
会場となった西来院は、鎌倉時代に建仁寺の第十一世住職を務めた蘭渓道隆が住んでいた寺院です。令和の大改修を経て、今回の夏季特別公開が実現しました。住職の「伝統文化をより身近にしたい」「良い文化や建築を守り続けたい」という思いに、多くの京都の老舗企業や若手文化人が共感し、このイベントが開催される運びとなりました。
京都の伝統と現代の感性が融合した空間演出
空間演出は、次世代の「伝統演出家」として注目される西井将哉氏がプロデュースを担当しました。「涼のしつらえ」をコンセプトに、時代劇の小道具・美術装飾の高津商会による文机や立礼台、京都染元しょうび苑による臈纈染の暖簾など、京都の伝統的な要素が取り入れられています。来場者は、これらの美しい空間の中で手紙を書くことができます。
鶴屋吉信の「本蕨 抹茶」
鶴屋吉信からは、夏の涼をイメージした和菓子「本蕨 抹茶」が提供されました。本堂前枯山水庭園「峨眉乗雲」をモチーフにした清水焼の器に盛り付けられ、祇園辻利の「冷煎茶」と共に味わえます。「本蕨」は、蕨の根から採取する希少な「本蕨粉」を使用し、独特のぷるぷるとした食感と爽やかな抹茶の香りが特徴です。
イベントの売上の一部は、西来院の文化財保護・修繕活動に寄付されます。
「峨眉乗雲」セットの内容
イベントでは、「峨眉乗雲」と名付けられたセット（税込2,000円）が提供されました。このセットには、手紙一式、鶴屋吉信の「本蕨 抹茶」、祇園辻利の「冷煎茶」、そして特別展示エリアでの体験が含まれています。
関係者紹介
株式会社ONEFILM 代表取締役 水澤 慶司氏：2019年に映像クリエイターとして独立、2023年に株式会社ONEFILMを設立。映像制作から企業PR、SNSマーケティングまで幅広く活動しています。
伯樂舎 代表 / Executive Brand Producer 西井 将哉 氏：2016年立命館大学法学部卒業。新規事業開発・プロモーションの専門家として活動後、2025年にクリエイティブディレクションに特化した伯樂舎を設立。伝統文化の継承に力を入れています。
株式会社 鶴屋吉信：1803年創業。220年以上の歴史を持つ京都の老舗京菓子司です。伝統を守りながら、現代の感覚を取り入れた和菓子作りを続けています。
手紙茶寮「のこす。」開催概要
開催期間: 2025年8月1日（金）～8月17日（日）10:00～17:00 ※8月8日、9日、10日は13:00までのOPEN
開催場所: 西来院（〒605-0811 京都府京都市東山区小松町５９０） ※公共交通機関をご利用ください
拝観料: 大人500円 / 中高生300円 / 小学生以下無料 ※各種体験については別途金額が必要となります。
鶴屋吉信「本蕨」について
鶴屋吉信の「本蕨」は、夏の定番涼菓です。希少な「本蕨粉」を使用し、独特のぷるぷるとした食感と、なめらかで優しい甘さが特徴です。「本蕨 抹茶」は、京都府産宇治抹茶を使用した風味豊かな一品でした。
この『手紙茶寮 「のこす。」』は、伝統文化と現代の感性が融合した、忘れられない夏の思い出を創出するイベントとなりました。
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