- 2025年、花火大会シーズン到来! 飲食店のおしぼり事情調査に見る、夏の風物詩へのこだわり
2025年、夏の風物詩といえば、色とりどりの花火が夜空を彩る花火大会です。多くの人が集まる花火大会の会場周辺の飲食店では、おしぼりの提供も重要なサービスの一つです。今回は、飲食店ドットコムが実施した「おしぼり」の利用状況に関するアンケート調査の結果をもとに、飲食店のおしぼり事情に迫ります。
調査概要
株式会社シンクロ・フードが運営する「飲食店ドットコム」は、飲食店の出店・開業・運営を支援するサービスを提供しています。今回の調査は、2025年10月7日から10月12日にかけて、飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)を対象にインターネット調査にて実施され、335名から回答を得ました。
回答者の属性
本調査にご協力いただいた回答者のうち、72.8%が1店舗運営です。店舗の業態は居酒屋・ダイニングバーを筆頭に多岐にわたります。東京にある飲食店の割合は50.4%(首都圏の飲食店の割合は67.8%)となっています。
調査結果詳細
飲食店で実際におしぼりを提供している311名の方へのアンケート結果を見ていきましょう。
おしぼりのタイプ
まず、おしぼりのタイプについて尋ねたところ、「使い捨てタイプ(紙・不織布など)」が51.8%、「布タイプ」が42.4%と、約9.4%の差で使い捨てタイプがやや多い結果となりました。「両方を使い分けている」という回答も5.8%ありました。
布おしぼりの温度
布タイプのおしぼりを提供している店舗では、提供時の温度について「季節によって(温度を)変えている」(51.3%)が最多でした。「熱々にしている」(15.3%)、「温かくしている」(23.3%)と合計38.6%が温かくして提供しており、「冷たくしている」はわずか4%でした。
おしぼりのこだわりポイント
おしぼりでこだわっているポイントについて尋ねたところ、最も多かったのは「厚さ・丈夫さ」(62.4%)でした。次いで「大きさ」(29.9%)と実用性を重視した内容が上位を占めています。一方で、「高級感」(21.5%)や「香り」(19.0%)など、“心地よさ”を重視する声も一定数見られました。
おしぼり提供時の工夫やこだわり
おしぼり提供時に工夫していることや、こだわりについて、多くの意見が寄せられました。
<温度・季節対応の工夫>
- 夏は冷たい物を出しています(千葉県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- 春夏は冷やし、秋冬は温めることです(東京都/バー/1店舗)
- 季節関係なく、温かいおしぼりと冷たいおしぼりを用意していて、お客様に好きな方を選んでもらっている(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
<香り・清潔感への配慮>
- 匂いを1番大事にしてます。レモンのシートを入れ常に良い香りにしてます(東京都/イタリア料理/1店舗)
- そのままだと消毒くさいので、必ず柔軟剤で香りをつける。季節によって温度調節、出す時はトレーに乗せる(東京都/イタリア料理/3~5店舗)
- 夏季などはおしぼりウォーマーの中にハッカ油を染み込ませたティッシュペーパーを入れておしぼりの香りも楽しんでいる(埼玉県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)
<巻き方・提供方法へのこだわり>
- 必ず巻き直して使う。出す方向も同じ方向に。ウォーマーの中に香りのシートを入れている(東京都/専門料理/1店舗)
- 広げて手渡し(東京都/居酒屋・ダイニングバー/6~10店舗)
- 一度ゆすいでからまきなおし。提供直前に香り付けする(東京都/和食/6~10店舗)
<提供タイミング・対象の工夫>
- ご予約の方の名前をかいたり、メッセージを書いてお渡しする(長野県/居酒屋・ダイニングバー/3~5店舗)
- 食事をする方のみへの提供(兵庫県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- コース料理で利用しているので、ご来店時とメイン料理後デザート前の二度提供している(埼玉県/洋食/1店舗)
おしぼり選定の理由
現在店舗で提供しているおしぼりを選んだ理由として、最も多かったのは「価格の安さ」(62.1%)でした。次いで「商品の品質」(42.4%)、「衛生面での安心感」(19.3%)が続きました。
おしぼり購入・契約先の変更検討
おしぼりの購入・契約先の変更を検討したことがあるか尋ねたところ、39.2%が「ある」と回答しました。検討した理由として最も多かったのは「価格への不満」(66.4%)でした。
おしぼりの単価
おしぼりの単価について尋ねたところ、1本あたりの単価は「5〜10円未満」(33.8%)が最も多く、次いで「5円未満」(27.0%)が続く結果でした。
月間使用本数
月間使用本数は「201〜500本」が最も多い結果に(30.9%)でした。
布おしぼりの提供中止検討
布タイプのおしぼりを提供している飲食店に、「布タイプの提供をやめることを検討したことがあるか」聞いたところ、「ある」と回答したのは17.3%でした。
布タイプの利用をやめることを検討した理由としては、以下のような意見が挙げられました。
<コスト・契約条件のミスマッチ>
- 単価が高いから(岡山県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- 価格の急騰、業者の引き取り時間が合わない、担当者が気に入らない、引き取り迄の衛生状態(虫が湧く)(福井県/洋食/1店舗)
- おしぼり屋さんの最低契約が月400本。実際はその人数まで来客がないため。(東京都/バー/1店舗)
<衛生面・コロナ対応>
- コロナ禍お客さんが来なくて毎月の仕入れ代が高すぎるから(愛知県/フランス料理/1店舗)
- コロナ渦の時に衛生面から使い捨てを検討(埼玉県/中華/31~50店舗)
- コロナ禍前後は使い捨てにした(埼玉県/カラオケ・パブ・スナック/1店舗)
<不衛生さ・保管環境への不満>
- ウォーマー、おしぼり在庫のスペース ・ウォーマーへおしぼりの補充 ・嫌な臭いと不衛生感(埼玉県/その他/3~5店舗)
- 使用済みおしぼりの回収頻度の少なさ (東京都/専門料理/1店舗)
- 洗濯が大変。あと、おしぼりで鼻をかむ人がいる。そうすると洗濯する気にもなれずおしぼりは廃棄。顔を拭かれるのも正直迷惑(東京都/和食/1店舗)
結論
今回の調査結果から、多くの飲食店が「価格」を重視しつつも、おしぼりの「品質」や「心地よさ」にも気を配っていることが伺えます。特に、夏の花火大会シーズンにおいては、冷たいおしぼりや香り付けといった工夫が、お客様への心遣いとして重要になっていると考えられます。
株式会社シンクロ・フードは、飲食店の経営を支援する様々なサービスを提供し、飲食業界の発展に貢献しています。



コメント