2025年、老舗モノヅクリ企業の挑戦：インテリアに馴染む新しい販促ツール「FABRIC SIGNAGE」
2025年6月9日、創業125年の老舗マッチメーカーである株式会社日東社（本社：兵庫県姫路市、代表：大西雅之）が、兵庫県内のデザイン会社である株式会社SASIとの共同開発によって生まれた新しい店舗販促ツール「FABRIC SIGNAGE（ファブリックサイネージ）」を発売しました。
「歓びあるモノヅクリを通じて、関わるすべての人を明るく照らし続ける」というMissionを掲げる同社は、主力事業である「のぼり事業」の印刷・加工技術を活かし、店舗の雰囲気を壊すことなく、さりげなく情報を伝えるPRツールとしてFABRIC SIGNAGEを開発しました。5代目当主を中心とした事業再編、そしてデザイン会社とのタッグという新たな挑戦によって生まれた本製品は、ハンガータイプ、スタンドタイプ、ウォールタイプの3種類で展開されています。
危機からの再生と「火」を興す挑戦
株式会社日東社はマッチ製造からスタートした企業です。マッチが斜陽産業となる中、広告マッチを展開し、名入れライターやポケットティッシュなど販促品メーカーへと事業を多角化してきました。「のぼり事業」もその一つでした。しかし、コロナ禍と原材料高騰の影響を受け、大幅な赤字に転落。2023年7月31日には紙製品事業を譲渡し、年間売上高は1/5に減少しました。さらに、4拠点あった全営業所を譲渡したことで、のぼり事業の売上は約半減、赤字事業へと転落。従業員のモチベーション低下も深刻な問題でした。
安価な価格競争が激しいのぼり業界において、機械数の多い大手企業には太刀打ちできません。このままでは事業撤退も避けられない状況の中、のぼり事業に関わる従業員の未来を守るため、新規事業開発の成功が喫緊の課題となりました。
事業譲渡を機に、同社は「「火」を興せ。」という新たな経営コンセプトを打ち出しました。「マッチ」という社業に込められた「練り合わせる」「仲間になる」という意味を、地元で開催される「灘のけんか祭り」に重ね合わせ、お互いを想いやり、信頼関係を築きながら新たな「火」を灯し続けることを決意。その第一歩として、「のぼり事業」の再構築に挑んだのです。
マーケットアウトの視点：顧客の本質ニーズを探る
従来ののぼりは、店舗の外に設置されるオーダーメイドの販促品として市場に認知されてきました。しかし、株式会社日東社は、競争激化の現状を打破するため、新たな価値提供を目指しました。
デザイン会社である株式会社SASIとの連携を通して、「のぼりを購入する顧客は本当に何を望んでいるのか？」「課題の本質は何なのか？」という問いを徹底的に追求。マーケットアウト（新市場創造）という視点から顧客ニーズを洗い出し、FABRIC SIGNAGEは誕生しました。
コンセプト：「いいか」を「いいね」に変える
FABRIC SIGNAGEは、「チラシのような、おしゃれな布」という価値を提供することを目指し、「『いいか』を『いいね』に変えるのぼり」というコンセプトが設定されました。機能的な価値だけでなく、情緒的な価値も重視し、インテリアやデザイン性を重視する店舗経営者が、魅力的な販促ツールとして利用できることを目指しました。
3タイプのFABRIC SIGNAGE
FABRIC SIGNAGEは、店舗の内装や用途に合わせて選べる3種類が用意されています。いずれも、ポスターとは異なり、空間のイメージを損なうことなく設置できることが特徴です。
1. ハンガータイプ: 店内のレールやフックに吊り下げて使用できます。人の目につきやすい場所に設置し、商品をPRするのに最適です。風が吹くたびに揺らめく布の質感が魅力です。価格は3,800円（税込）。
2. スタンドタイプ: テーブルやカウンターに立てることができます。店内の雰囲気を壊さずに、商品をPRできます。シンプルながらも上質な素材感が特徴です。価格は4,800円（税込）。
3. ウォールタイプ: 壁に設置して、お客様の視線を惹きつけます。さりげなく店内の雰囲気に溶け込みながらも、存在感を放ちます。価格は3,800円（税込）。
いずれのタイプにもLEDライトが付属しており、柔らかな光で温かい雰囲気を演出します。デザインは、写真と文字を送信するだけで作成でき、PCやスマートフォンから簡単に注文が可能です。デザインに自信がない場合でも、テンプレートを利用できます。
店舗だけでなく家庭でも
FABRIC SIGNAGEは、店舗だけでなく、家庭でも活用できます。場所を取らず、インテリアとして空間を魅力的に演出します。ペットの写真や家族の思い出の写真などを使って、オリジナルのFABRIC SIGNAGEを作成することも可能です。
株式会社日東社概要
- 社名: 株式会社日東社
- 本社所在地: 兵庫県姫路市東山524
- 代表取締役: 大西雅之
- 事業内容: マッチ・名入れライター・のぼりの企画・製造・販売
- 設立: 1923年12月
- 従業員数: 45名
まとめ
株式会社日東社は、事業再編と新たな挑戦を通じて、老舗企業としての伝統と革新性を融合させた新しい販促ツール「FABRIC SIGNAGE」を発表しました。 インテリアに配慮したデザインと使いやすさで、顧客のニーズに応える製品となっています。
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